治そう、治そうとすると、どんどん悪化する摂食障害の患者さん。
今の自分が「問題だ」と感じていることを解決していって、成長していきたいと話すけれど、面談の中で決めたホームワークができない・やってみてもすぐ諦めちゃう、カウンセリングのクライエントの方。
「治したい」と本当に思っている。
「解決して成長したい」と本当に思っている。
でも、無意識では求めていることが違う、ということは多々あります。
このケースで言えば、たとえば自分でも気づかないような心のずっと深い奥底で、
いや、治っては困る。
いや、解決しては困る。
だって、心配してもらえなくなる。
だって、ここに来て話を聴いてもらう理由がなくなってしまう。
これを弱さだと簡単に断じることができる人は、どれだけいるんでしょうか。
気づいていないだけで、同じことを私もあなたも、してるかもしれないし、言っているかもしれない。
私はこうした心の動きがあることを、理屈ではなく「実際の人間として」出会って知った時、
衝撃でした。
でも、なんだかしっくり腑に落ちました。
人間て面白いなぁ。
キャリアコンサルタントとして人や、組織に関わらせていただくと、思いもしないことが浮かび上がってくることがあります。
そしてそれは「問題」とされていることの根っこになっていて、しかもこんなに複雑にこねくり回さなくてよかった、
シンプルなことであることがほとんどです。
「認めてほしかった」
「誰も味方をしてくれなくて寂しかった」
「これだけ頑張ってきたのに、声もかけてくれない」
「謝ってほしかっただけなのに」
・・・etc.
お金をかけて立派な研修をする前に。
「先輩」として教え諭す前に。
相手を一人の人間として、ちゃんと話を聴いていますか?
それだけで解決することは、この現代からこそ、ゴロゴロとこの社会に転がっている気がしてなりません。
自戒を込めて。
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